転職サイトに掲載されている求人広告や、転職エージェントサービスから届くメール。あれらを執筆しているのは、募集企業の人事担当者ではないということはなんとなくわかると思います。では、実際にどんな人たちが転職サイトに掲載する広告の制作に携わっていて、どのようにして求人広告が出来上がっていくのでしょうか。 実際に大手転職サイトの制作部門にいた立場だからこそわかる、「転職サイトに掲載される求人広告が出来るまで」の流れを紹介していきます。

転職サイトの求人広告作成過程

1.取材・執筆の依頼が制作担当者の元へ。

社内の営業担当、もしくは営業を依頼している代理店の担当者から、制作部門の「進行管理」という部署に、案件が届きます。進行管理の手によって、社内ライター、社外ライターに案件が振り分けられます。

 

社内ライターは社内の制作部に所属するライター。正社員も契約社員もいます。社外ライターは、求人広告業界で長く活躍しているフリーライターのほか、クラウドソーシングで募集したライターにもお願いしています。

 

また、求人広告の営業だけを社内でまかない、制作に関する部分はすべてアウトソーシングしている転職サービスもありますし、契約を取ってきた代理店の営業担当者が広告制作まで一人で担当するケースもあります。

 

そして、求人広告はスピード勝負な側面がありますので、締切はかなり早いです。3日後には初稿(最初に募集企業に見せる原稿)を完成させて下さい、なんてことも。3日で1本なら楽に思えますが、もちろんそういうわけではありません。

 

制作担当は繁忙期になると1人あたり15件ほどの案件を同時に進めていたりします。しかし、15件全部が全部、同じくらいの大変さ、でもないんです。

 

2.取材に行ってPR画像まで考える案件~完全コピペ案件までさまざま。

転職サイトを眺めていると、キャッチコピー入りの大きなPR画像を載せている企業もあれば、社員の集合写真をちょこっと載せている企業、ロゴ画像だけの企業などさまざまありますよね。

 

転職サービスを提供している各社は、大体4~5段階の大きさで広告枠を売っています。必ず検索結果上位にくるのは大きなPR画像を載せている企業です。その次に小さめのPR画像の企業、その次が無加工の写真を載せている企業…と続きます。

 

PR画像のデザイン案を考えるのも制作担当の仕事です(画像作成は社内外のデザイナーがおこないます)。企業が欲しがっている人材に響くような構成を練るのは、大変な作業ですがやりがいも大きいです。

 

このように本文もPR画像も一から全て考えなければならない大仕事もあれば、営業から聞いた話だけで仕上げる取材なし案件、前回掲載したデータをコピペするだけの完全流用案件もあります。また、企業の人事担当から「他の転職サイトに載せた時の原稿を参考に作ってくれればOK」と言われることもあります。

 

3.あくまで広告、最低限の情報しか載ってない場合は注意して。

求人広告には厳しいきまりがあり、 給与、勤務時間、休日などは記載必須です。しかし、月平均残業時間や有給消化率などは書いてあったり書いてなかったりマチマチですよね。

 

制作担当としては 「残業は月10時間以下です」「有給消化率9割!」といったポジティブな書き方が出来ない場合、これらの情報は明記しません。

 

つまり、書かれていないということは、都合の悪い情報である可能性が高いです。逆に「うちの会社は残業が月40時間くらいあるけど、ミスマッチを避けるためにしっかり書いてほしい」とお願いされることはあります。気になるけれど書かれていない情報は、面接の場で直接確認してみるのが確実です。

 

4,募集企業の人事担当者によって、広告への温度差はバラバラ!

冒頭にも書きましたが、原稿を書いているのは募集企業の人間ではありません。人事担当者をはじめ、募集企業の社員が直接原稿に関わっているのは、

  • ターゲット像のすり合わせ
  • 取材(あれば)
  • 広告の最終チェック

 

以上です。

 

転職サイトのスカウトサービスやエージェントサービスで届く、「こんにちは、あなたにぜひ当社で活躍していただきたくメールしました。株式会社◯◯ 採用担当の鈴木と申します。」みたいな スカウトメールも、残念ながらライターが書いています。(ただしああいったメールは「こんな人物がほしい」という条件をあらかじめ絞った上、限られた人にしか送っておりません。その点はご安心ください。)

 

求人広告およびスカウトサービスのメールどちらにも言えることですが原稿に対するスタンスは企業によってかなり違います。ライターが急いで作成した初稿にそのまま校了(掲載OK)をくれる人事担当者もいれば、編集者さながらのめちゃめちゃ丁寧な赤入れを入れてくださる人事担当者も。

 

傾向としては、「広告のことは御社におまかせします」という人事担当者が多いので、制作側としても、募集企業が欲しい人材に応募してもらえるよう、必死に考えながら原稿を作っています。

 

ただ、一つ注意して欲しいのは条件が良い一個のことに気を取られて、その会社の隠されたブラック要素を見逃してしまうこと。そのブラック要素を嫌だなと思う気持ちが条件の良さを上回れば、急激に辞める方向に気持ちが向かっていってしまいます。

 

せっかく入社した会社をすぐに辞めて無駄な職歴を増やさないためや無理して働いてストレスを溜めないために、譲れない条件と併せてこんな会社には絶対に入社したくない!というブラック条件も整理して、書き出してみてから求人サイトを見ると正しい判断ができるようになりますよ。

 

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