中途採用にも成功と失敗があります。せっかく意中の人材を得たと思っても、自社では戦力にならずに採用に失敗・・・、あなたにとっても不本意な転職になるリスクはあるわけです。また、反対に高評価で即戦力として採用されることもあります。

 

「即戦力」について考え直してみる

実は、中途採用においても、即戦力になる人材は限られています。転職という行為は、今までの職場の価値観や人間関係、仕事の進め方といったところまで、環境を一変させます。いくら前職で経験が豊富で実績があったとしても、同じ成果を挙げられるとは限らないわけです。

 

そこで、対策を練る前に、視点を「採用する側」から考えてみるとしましょう。どんな人物が「即戦力」として考えられるでしょうか。

 

職務能力が即戦力

分かりやすいのが、中途採用として求める職務能力にぴったり一致する職務能力を持っている人材を、即戦力とする考え方です。これは、求人企業の求人票と、自分自身の職務経歴書を書面で突き合わせれば判断可能ですので、とてもやさしく即戦力かどうかを判断できます。

 

しかし、これだけでは、前述した「職場環境の変化にも対応して成果を出せる人材か」は判断できない、という問題は解消されません。

 

人物タイプの分析による即戦力

そこで考えられる方法が、社内で活躍している人材、ハイパフォーマーの人物像を分析することによって、自社にマッチングする人材をピックアップするという手法です。これは、人材コンサル会社に依頼して、ハイパフォーマー社員にインタビューを実施し、その人物像を第三者的に分析してもらうのが一般的です。

 

例えばその結果、「コツコツと細かい仕事を丁寧にこなす職人タイプの人材」とか、「自分のアイデアを通すのではなく、他人の意見を丁寧に聞き、まとめる能力のある人材」「様々なタイプの人の懐に入っていけるコミュニケーション能力の高い人材」といった、自社に合うタイプの要件を抽出し、その人材の採用を目指すのです。

 

これは、適性検査によって判断する会社もありますが、多くの場合、面接によって評価されます。そのため、面接官の主観的評価にたよる部分が多くなるため、均質性を確保するために、質問項目をそろえる。面接評価基準を作成するなどの手間暇をかける必要があります。

 

あなたが「即戦力」と評価されるために

こうした採用する会社側の「手の内」を理解したうえで、あなたが「即戦力」として転職を果たすための方法について考えてみましょう。実に単純な戦略ですが、採用する側が取っている手法を、あなたもマネすればいいだけです。

 

つまり、あなたが成果を発揮してきた職務やその職務要件を分析し、あなたが高い成果を出せる職場環境や条件、どんな行動特性ならば、高い成果を出せるのか、ご自身で分析してみれば良いのです。

 

まず、前記①の職務能力については、今まで経験し、成果を上げてきた仕事の内容について棚卸しをします。日常的に継続してきたような仕事についても、当たり前と捉えないで、1つの成果として、分析することが大切です。

 

次に、前記②の分析については、この棚卸しした職務能力・実績・成果について、「なぜ、これだけの成果を上げることが出来たのか」を自分自身で原因分析します。

 

例えば、「周囲がタイムリーにサポートしてくれた」ならば、どんなタイミングで、何をサポートしてくれたら、仕事がやりやすかったのか、というところまで細かく分析していくのです。ここまでのレベルで細かく自身の成果分析を実施したら、次は、転職活動に応用します。

 

転職活動への応用

第一段階として、書類選考を突破する段階です。応募書類、特に職務経歴書において、どのような環境で、どのような成果を発揮してきたか、ストーリー性のある書類を作成して、応募企業に提出しましょう。

 

第二段階として、面接での自己PRです。ここでは、自分が成果を発揮してきた背景や要因、どういった環境ならば強みを発揮して成果を上げられる人材なのかを、5W1Hを駆使して細かく説明する姿勢が大切です。

 

特に、「何か質問はありませんか」と聞かれたときに、「私は今まで、自分のアイデアを通すより他人の意見を丁寧にヒアリングし、それをまとめることで成果を出してきましたが、御社でもそのような仕事の進め方は可能でしょうか」と聞くことができれば、お互いに職場環境のあり方について認識のギャップを埋められるので、即戦力として入社できる可能性は高いでしょう。

 

最後に・・・1点注意点を申し上げます。即戦力として評価されて入社する方法は、それだけ職場環境を限定してししまうため、内定を5つも6つも取れるという方法ではありません。会社の環境に合わせて選ぶというより、あなたを基準にして会社を選ばざるを得ないからです。

 

ただし、マッチング度が高く、あなたが満足度の高い転職を実現し、結果的にハッピーなキャリアを築くうえでは有効な方法です。ぜひ、前向きに取り組んでいただければと思います。