売り手市場の昨今、氷河期に就職活動をしていた方からすると「やり直したい!」と思うこともあるはず。景気が良くなった今ならば、自分も大手企業で希望の職種を狙えるはず。。。いわゆる「リベンジ転職」ってうまくいくのでしょうか?

景気に左右される転職市場

求人という需要と転職者という供給から成り立つ転職市場も、他の市場と同様、企業全体の活況度合いである景気動向に左右されます。特に失業率など転職市場の活況を図る指数は、景気の遅行指標と呼ばれ、実際の景気回復より後ずれする傾向があります。

 

企業もいったん採用した人材を、景気が悪くなったからといってたやすく辞めさせるわけにはいかず、採用自体に慎重になるからです。したがって、転職者にとっての売り手市場というのは、実際の好況期より短くなる傾向があり、その少ないチャンスに「リベンジ」をかけたくなる心理が生まれるのでしょう。

 

企業は転職者に「リベンジ」を求めていない

就職活動をした時期、たまたま景気が悪く、条件の悪い会社、本意ではない就職先を決めた方も多いと思います。景気が良くなってきた今だからこそ、いや、今のうちに本当にやりたいこと、行きたい会社で働くチャンスを掴みたい、という気持ちはわかります。

 

ですが、行動を移す前に大切なことを覚えておいてください。企業は転職者に「リベンジ」を求めていません。あくまで自社で活躍できるか、できないかが採用の決め手であって、転職者の思惑などどうでも良いのです。

 

特に大手の人気企業、人気の職種に限っていえば、応募に手を上げてくれる人が多いことには変わらない。厳選して採用する傾向を変える必要はないのです。リベンジしたいという気持ちだけでは、玉砕は必至です。

 

リベンジ転職は準備の先に生まれる

では、転職者がリベンジを果たすことは難しいのでしょうか?難しいと思いますが、リベンジを果たすことは可能だと思います。ポイントは、やる気をPRするという精神論ではなく、熱意を具体的な準備に変えているという具体性です。

 

例えば、マーケティングの仕事につきたい人の場合、マーケティングの仕事で求められているスキル、人材のタイプ、資格など、自分がそれに見合うスキルを持ち得ているか、転職活動をする前から準備しておく必要があります。

 

事前の研究の深さ、準備の具体性が面接官を、「この人ならすぐ仕事にフィットしてくれそうだ」「教え甲斐がある」という気持ちにさせ、採用につなげてもらうのです。

 

具体的なイメージがわかない人は、転職エージェントを訪問してみることもおすすめします。実際の求人票を見て、どのようなタイプが求められているか、人事に直接接触を持っている転職エージェントから助言をもらい、準備のヒントにつなげましょう。

 

採用のカギを握る適応能力

いよいよ転職の準備段階に入ったら、職務経歴書や履歴書の志望動機欄の記載方法が重要になります。似た職種から転職するならば、経験職種の類似性を強調するというPRする方法がありますが、リベンジ転職の場合、たいがいは、希望職種と今ついている職種との間にかなりの開きがあります。単にやる気をアピールするだけでは、他の人と差別化することはできません

 

職場への環境対応力が高いとか、多様な人間への協調性、ネットワーク構築の上手さといった、職務への適応力を自分で深く観察し、分析することで、それがリベンジしたい新たな職種においても十分に発揮されることを強調するのです。

 

むろん、これらに加えて、前に述べたように仕事をどれだけ研究してきたかについても、深くPRできるようにする必要があります。経験者を優先して採用したい会社でも、経験者が絶対的な要件ではない転職先は潜在的に結構あります。

 

実は、経験者より使える未経験者の方が都合は良いという企業も多いのです。むろん、チャンスをもらえたら覚えます、ではなく、チャンスをもらえるように準備してありますという姿勢が他人より一歩先に出られる面接アピール方法なのです。

 

リベンジのチャンスは、今の仕事を深く考え抜くことからはじまる

転職エージェントとして、リベンジ転職を目指し、成功を支援してきた立場からすると、成功するタイプには共通したコンピテンシーがあります。それは、今の仕事の意義について、深く考え抜いている、ということです。洞察力に優れ、いわゆる「どこでもやっていける人」というタイプです。

 

もちろん、全ての人にそのような力があらかじめ備わっているわけではありません。しかし、自分という人間の職場での行動特性を深く観察することを心がけるだけでも、他の人との自己PRとの間に、深みの差が生まれるでしょう。リベンジ転職も最初の就職活動とはまた違った苦労がありますが、今度は前向きな苦労になるはずです。ぜひ頑張ってほしいと思います。