医薬品の研究開発、医薬情報サービス、金融業界のITコンサル、アパレル、広告業界(クリエイティブディレクター)・・・。同じ業界で人材の行き来が活発なところです。こうした業界だからこそ、転職エージェントを活用がおすすめです。

同じ業界…特に狭い業界での転職の特徴

いわゆる狭い業界、顔見知りが多く、かつ、人材が少ない業界では、転職に際しても独特の文化があります。

 

①面接官が顔見知り

よくあるパターンが、面接官が顔見知り、かつての取引先だったり、前職の先輩・後輩、上司・部下だったりした関係にある場合です。何ともやりにくそうなイメージがあるのですが、当事者たちは、狭い業界だと分かりきっているので、面接というより仕事の打ち合わせの延長線上で面接しているような感じになります。

 

②客と営業が入れ替わる

転職後に多く聞く話ですが、転職先で、着任の挨拶回りをした際に、名刺交換した人がかつての顧客だったり、営業担当者だったりするケースです。極端な例ですが、一度、駅で呼び止められた人が、かつての取引先の営業担当者で、今は、自分がかつて勤めていた企業に転職していた、などという話を聞いたこともあります。

 

③コネクションでも転職できる

お互いが顔見知りで勝手知ったる仲となると、当然のことながら、コネクションで転職できてしまう。一般的な転職と違い、書類選考、面接などという形式を踏むことなく、半ば顔パスで転職できてしまうことが、狭い業界での転職の特徴的な面になります。

 

あえて転職エージェントをおすすめする理由

当事者からすれば、いちいち高い紹介手数料を払わずとも、優秀な人材を確保できるわけですから、転職エージェントを使うメリットがないように思えます。しかし、狭い業界だからこそ、転職エージェントをあえて使うメリットがあるのです。主なメリットは次の4点です。

 

おすすめポイント1:カドが立たない

例えば、いくつかの競合相手から転職先として誘われている場合、自分の判断だけで転職先を決めることは、断る側にときとしてカドが立つ結果になります。しかし、転職エージェントを通せば、転職エージェントとの交渉の結果、転職先が決まることになりますから、カドが立つことなく転職することが可能になります。

 

おすすめポイント2:守秘義務が守られる

現職や競争相手に知られることなく、転職を果たすには、狭い業界ではどうしても情報を秘密に守ることが難しくなります。その点、転職エージェントを通すことで、転職候補先との間に守秘義務が生じることになりますから、秘密を守ることが容易になります。

 

おすすめポイント3:年収等の交渉がビジネスライクにできる

このポイントは大きいと思いますが、狭い業界でコネクションで転職する場合、年収などの待遇面が情実に流されがちになり、自分が望む報酬を切り出しづらい、ということが生じます。この点、転職エージェントを通すことで、ビジネスライクな交渉事が可能になりますから、自分の納得のいく待遇での転職を実現しやすくなります。

 

おすすめポイント4:転職後のリスクの低減

コネクションで転職する場合は、万が一失敗した場合に、後戻りが難しいです。紹介してくれた人に「泥を塗る」ことになりかねないからです。この点、転職エージェントを通すことで、万が一にうまくいかないケースでも、同じ業界で再チャレンジの転職という選択肢を残すことができます。

 

転職エージェント活用のポイント

ここでは、狭い業界で、転職エージェントを賢く使う、活用ポイントを3点挙げます。

 

①実情を率直に共有する

まず重要な点は、人間関係など生々しい部分も含め、転職エージェント、キャリアコンサルタントと実情を率直に共有することです。キャリアコンサルタントは第三者のため、人間関係上の「地雷」など、どうしても疎くなってしまいます。

 

良い部分も悪い部分も含め、巧みに事を進めるために、時に口裏を合わせる作業すら必要になります。転職エージェント、キャリアコンサルタントは、あなたの味方です。信じて、正直に全部話すことを心がけてください。

 

②求人をサーチしてもらう

狭い業界での転職においては、求人はないようであるものです。無理して人材は確保しないが、良い人材が出たら取る、というのが基本的な採用スタンスです。したがって、もしあなたに意中の転職候補の企業がある場合、転職エージェントにサーチしてもらうことは非常に有効になります。

 

中には、現在は求人を出していないが、あなたのような優秀な人材が確保できるなら、無理をしてでも採用ポジションを作る、ということが起きるのも、狭い業界での転職の特徴です。

 

③とにかく「クッション」になってもらう

前にも述べましたが、待遇面などビジネスライクに徹したい部分については、転職エージェントに、しっかりクッションになってもらいましょう。転職エージェントは、こうした汚れ役は慣れているので問題はありません。

 

カドが立ちそうな部分については、転職エージェントにしっかり仲介してもらい、面接などコネクションを活かしたい場面ではいかんなく今までのコネクションを活用する、といった具合にうまく使い分けましょう。

 

同じ業界での転職の注意点

ここでは、同じ業界で転職活動をするうえでの一般的な注意点についてお話しします。転職エージェントを活用する、しないに関わらず重要な点ですので、しっかり押さえましょう。

 

①複数内定が出た場合の注意点

まず、複数内定が出た場合の注意点ですが、内定を承諾する企業と同じくらい、断る企業にも丁寧に応対しましょう。前に述べたように、いつ客と営業が逆転する、同じパートナーとして協業することになるか分かりません。転職する企業、転職しない企業にも誠実に対応できることが、長い目でみて、あなたの信用につながります。

 

②前職との守秘義務契約は必ず守ろう

次に、重要な点ですが、前職との守秘義務契約などを締結している場合は、内容を確認して必ず守りましょう。特に研究開発で特許等の知的財産が絡む場合、あなたが転職先で取る行動が、訴訟リスクを生むことにもなりかねません。契約をきちんと守れることも、長期的なあなたの信用につながりますので、大事にしましょう。

 

③ビジネスライクに結果も求められる

特に、転職エージェントを利用した場合の注意点ですが、コネクションによる情実の転職と異なり、その紹介手数料に見合った「結果」を出すことが求められることも覚悟しましょう。これは、ビジネスライクに待遇面を求めた代償です。その代わり、転職先の企業と対等の付き合いが可能になったのですから、信用を勝ち取るためには、しっかり自覚する必要があります。

 

まとめ
一般的な転職と比較して、狭い業界の転職は、人間関係が濃密な分、ネックになる部分も独特なものがありますが、業界内で立場をしっかり確立すれば、長く働けるというメリットもあります。立場を確立する手段として、転職エージェントというツールを十分にご活用いただきたいと思います。