ここで紹介する内容は、他の転職サイトではおそらく紹介されていません。 個人サイトとしては、大手転職サイトが扱わないようなニッチな情報を紹介してこそ存在価値があると思いますので、ちょっと気合入れて紹介したいと思います。

 

製薬(医薬品)業界の待遇について

まずは、製薬(医薬品)業界について少し解説します。私が所属する業界ですが、 他の業界より給与も高く、勤務条件が良い ところが多い。大手企業はもちろん高待遇ですが、業界の水準に合わせて中小企業でも比較的待遇が良いようです。

 

特にどこの業界でもそうですが、中小企業だけどオンリーワンの技術を持っている優良企業・・・という会社は多数存在し、そういった企業は大手企業と同等の待遇となります。中小企業でも、 元々、待遇の良いとされる製薬(医薬品)業界ですので、給与水準は高いんですね。

 

さらに・・・すごく良い業界なのに、そこそこのキャリア(学歴)でも入社できる。よって、是非転職先の候補としてご検討下さい。 もちろん誰でも入社できるわけではありませんが、比較的ハードルは低いと思っています。ただし、世間一般には知られていない企業が多いです。

 

製薬(医薬品)業界が良いと思うところ

 

勤務時間

8時30分出勤で19時には退社(18時とかも普通)。同業者の話を聞いても同じような感じです。

 

休日

土日、祝日など合わせて120日/年ぐらいのところが大半。120日未満でも有休は取りやすい印象。工場勤務の場合は土日出勤もありますが、医薬品製造は従業員の勤務時間も記録する必要があるので、サービス残業等は発生しにくいです。営業職は得意先が製薬(医薬品)メーカーなので休日はだいたい一緒です。

 

その他

直接病気を治す事はできませんが、その一端を担う事ができる責任感のある素晴らしい仕事だと思います。

 

製薬(医薬品)業界の仕組み

ノルマのない営業職についてご理解頂くために、 まず、病院でもらえる医薬品が患者さんの手に届くまでを簡単に紹介します。 かなりざっくりなので、同業者の方に見られたら笑い飛ばされそうですが・・・。 以下、製薬メーカー視点です。

 

医薬品が販売されるまで

 

医薬品の委託

例えば国内No.1の武田薬品さんでも医薬品を製造する場合、①~②の一部を他社に委託する事は珍しくありません。この他社というのは、俗に言う、下請け(受託)企業となります。

 

下請け(受託)と言うと、ちょっとイメージがよくないかもしれませんが、製薬(医薬品)業界の場合、下請け(受託)企業しか保有していない設備があったりで、かなりの存在感があります。医薬品の開発には、そいうった特殊な設備が必要になるケースが多々あり、例え武田薬品さんといえども、そこに頼らざるをえないというわけです。

 

もう少し付け加えると、特殊な設備を必要としない場合でも、全て自社医薬品を武田薬品さんだけで製造するには設備が足りないので、下請け(受託)企業に委託する事は自然な事となっています。

 

こういった事を前提に、かなり噛み砕いてあらわすと↓のようになります。(注:実際はこんな軽い感じではありません。精査された製造方法に従って製造します。その製造方法から逸脱した場合、品質に影響がないかを確認し、場合によっては破棄する場合も珍しいことではありません。)

医薬品が出来るまで

 

おすすめの受託企業は?

委託側を除くと、この図の中で、オンリーワン企業の優良企業は、スーパー錠剤製造機を保有しているC社となります。C社には多くの大手製薬メーカーが委託の話を持ちかけていることでしょう。よって、下請け(受託企業)で転職先を考えるならばC社を狙うのがおすすめというわけです。

 

ただ、A社、B社も狙い目です。大手製薬メーカーから委託されるという事は、医薬品製造に関する厳しい査察をクリアした会社ということです。そういった下請け(受託)企業は医薬品製造には欠かせない存在で、様々な製薬(医薬品)メーカーから委託されています。

 

製薬(医薬品)関連企業で未経験でも狙える職種

製薬(医薬品)メーカーにも色々あります。ざっくり分類しましょう。

 

製薬メーカーの種類

製薬メーカーをざっくり分類すると以下のようになります。

 

  • 病院でもらえる薬(医療用医薬品)を発売している会社
    →先発メーカー(武田薬品、アステラス製薬、エーザイ、大塚製薬など)
    →ジェネリックメーカー(沢井製薬、日医工、東和薬品など)
  • 薬局で買える薬を発売している会社(OTCメーカー)
  • 下請け(受託)企業
    →合成メーカー
    →製剤メーカー
  • 医薬品原料メーカー
  • 機械メーカー

 

これら製薬(医薬品)関連メーカーに未経験で入社できるかどうかを紹介します。 あくまでも管理人の考えなので絶対ではありません。予めご了承ください。

 

先発メーカーへの転職

先発メーカーとは病院でもらえる薬(医療用医薬品)を発売している会社のうち、新薬を発売する製薬(医薬品)メーカーです。 最近よく聞く インフルエンザや副作用の少ないガンの薬などを発売するのはほとんどが先発メーカーです。 人類を病気から守っているのは先発メーカーの開発の皆様と言っても過言ではありません。

 

研究職は主に新しい有効成分を探し出し創薬・合成する部門、有効成分を服用しやすい形にする製剤部門に分かれます。転職するには経験者以外は不可能。新卒で入社できるのは上位国立大の薬学、工学系等の理系出身者です。

 

MR(営業)なら文型、理系にかかわらず未経験でも応募可能。ただし、入社後にMR認定試験に合格する必要ありけっこう大変。研修のため数ヶ月間は研修のため缶詰状態になります。製造現場や間接部門の募集はあまり見ませんが、募集があれば前職の経験次第でチャンスはあると思います。

 

開発・研究:経験者以外の転職は不可
MR(医薬品情報担当者):未経験で可能だが、理系出身で営業経験があった方が好ましい。

 

ジェネリックメーカー(GE)への転職

ジェネリックメーカーの他に後発メーカーとも言います。 先発メーカーが発売した新薬の特許が切れた後に、同じ成分を発売するメーカーです。先発メーカーが10年以上かけて…さらに製品化されるのは1%未満の新薬を、2、3年で簡単に発売できちゃいますので開発コストは激安です。よって、患者さんにも低価格で提供できるというわけです。

 

先発メーカーに比べるとハードルは低い。研究職は、錠剤やカプセルの処方を考える製剤研究者がほとんど。特殊な職種なので経験者以外はまず不可能。MR(営業)職は未経験でも募集はありますが、入社後にMR認定試験に合格する必要あり(ジェネリックメーカーでも当然大変)。間接部門の募集はあまりみませんが、前職の経験次第では可能。

 

開発・研究:経験者以外の転職は不可
MR(医薬品情報担当者):未経験で可能だが、理系出身で営業経験があった方が好ましい。

 

薬局で買える薬を発売している会社(OTCメーカー)への転職

OTCメーカーはそれほど景気はよくないと思います。医療用に比べると市場も小さい。中小のOTCメーカーは、大手OTCメーカー、先発メーカー、ジェネリックメーカーからの受託も行っているケースもあります。

 

大企業
研究:経験者以外の転職は不可
営業:未経験ではやや厳しい

中小企業 
研究:理系出身者で若ければ未経験でも可能かも。
営業:未経験でも可能

 

下請け(受託)企業への転職

医薬品の有効性分やその中間対の合成を受託する会社や、錠剤やカプセルにする製剤工程を受託する会社など様々です。下請け企業の中には、先発メーカーでさえ持っていない設備・技術を保有していたりと、存在感のある企業が多数あります。

 

そういった下請け(受託)企業は、高い価格で、複数の企業の仕事を請け負っているので、給与をはじめ、待遇が良いケースが多いと思います。研究職は大手製薬メーカーの研究者とも対等に打ち合わせする必要もあり、少なくても専門分野の大学を卒業している必要があります。原則経験者のみが転職可能と考えて間違いないでしょう。

 

営業は中堅私立大出身者なら十分可能。営業先は、大手製薬メーカーの開発部に営業することが多いので理系の方が有利です。また、相手は国立大出身の優秀な方が多いので慣れるまでは大変。その他職種は経験次第かと思います。

 

研究:理系出身者で若ければ未経験でも可能かも。
営業:未経験でも可能

 

医薬品原料メーカーへの転職

医薬品を製造するには、有効成分となる原薬、服用しやすいように錠剤等にするための副原料(賦形剤と言います )が必要となります。これらを扱うのが医薬品原料メーカーです。中には、医薬品を製造するには必ず必要となる副原料もあり、そういった会社は日本全国の製薬(医薬品)メーカーと取引があります。研究職は、合成関連か賦形剤かでも大きく変わりますが、原則経験者のみの採用になるでしょう。ただ、関連する学部出身で若ければ可能性はあると思います。 営業は中堅私立大で可能でしょう。

 

機械メーカーへの転職

医薬品を製造するには特殊な機械が必要です。錠剤を製造する機械、原薬を粉砕する機械、原薬をコーティングする機械・・・などたくさんあります。こういった機械は製薬メーカーでは作れませんので、機械メーカーから購入します。

 

また、既存の機械で対応できない場合は、その医薬品に適したオーダーメイドの機械を発注します。こういった機械メーカーは業界内では概ね決まっており、あの機械と言えば、どこどこの・・・といった感じになっています。また、自社の機械を用いて受託ビジネスを行っている企業も多いです。

 

研究職・営業職ともに下請け企業・原料メーカーと同じような感じです。従来の医薬品製造は職人技のようなところがありましたが、最近は製造機械が発達し非常に効率よく高品質な医薬品を製造できるようになっています。営業は製薬(医薬品)メーカーの要望を聞き取り、開発に反映する事も大切な役割です。

 

ノルマがない営業

やっと本題になります。ここまで紹介してきたのは、

 

  1. そこそこ待遇の良い製薬(医薬品)業界
  2. オンリーワンの技術を持った下請け(受託)企業・医薬品原料メーカー・機械メーカーがおすすめ
  3. 2の企業の営業は未経験でも入社しやすい

 

要するに、”そこそこの給与”、”そこそこの休日”、”営業は未経験でも可能”という魅力的な企業が実在しています。これは業界にいないと分からない事であり、ネット上でさえ情報はほとんどありません。もちろん、全ての企業がそういうわけではないと思いますが、同業の知人も概ね同様の事をいっておりますので、そうかけ離れた話でもないでしょう。

 

製薬(医薬品)業界の下請け(受託)企業でノルマがない理由

それで、気になるノルマがないに等しい理由ですが・・・

 

医薬品の開発には何年もかかるから。

 

これが一番の理由です。どれだけ自社技術・製品を売り込んでも、それが採用されて売上になるのは数年先です。先発医療用医薬品メーカーがお客さんなら10年以上先なんて事は普通の話です。

 

もちろん発売される前に何度も試作を行うので、試作費用としての売上はあがりますが、営業したからといってすぐに試作が実施されるものでもありません。その技術・原料を必要とする医薬品が開発される際に始めて声がかかります。つまり、

 

現在発生している売上は数年前の営業の成果であり、現在の営業の評価を売上で判断する事が難しい

 

というわけです。

 

時々、リクナビ等に求人が出ていますが、「ノルマがない」と明記されている事がよくあります。歴史のある企業がほとんどですので、既に各製薬(医薬品)メーカーとの取引もありますので、既存得意先へのルート営業、問い合わせがあった場合に訪問・・・といった仕事に加え、お客さんの要望と社内関連部署との調整業務が大きな役割になってくるかと思います。

 

製薬(医薬品)業界でノルマのある営業

誤解したらいけないので、ノルマのある営業についても紹介しておきます。以下の2つはノルマがあるのが一般的です。

 

  • 病院でもらえる薬(医療用医薬品)を発売している会社
  • 薬局で買える薬を発売している会社(OTCメーカー)

 

 

医療用医薬品メーカーの営業はMR(医薬品情報担当者)と言います。営業っぽくない名前ですが営業です。病院のドクターに自社製品を提案するのが主な仕事で、自社医薬品が採用される事で成果となります。

 

OTCメーカーの営業は薬局やドラッグストアへの営業となります。こちらもノルマが発生するのが一般的かと思います。 (OTCメーカーの営業さんに知り合いがいないので詳細は分かりません)

 

後、 主に医薬品原料を取り扱う商社は、待遇も悪く、接待も多く、ノルマもあります。各商社は同じような医薬品原料を取り扱っているので仕方がありません。私も複数の商社と付き合いがありますが、皆さん大変そうです。

 

製薬(医薬品)業界で働くということ

ここまで主に働く側の都合に焦点を当てて、勤務条件や入社しやすさを紹介しましたが、この仕事の先には病気で苦しんでいる患者さんがいる事を忘れてはいけません。

 

例えただの営業マンだったとしても、その1人が客先への納入スケジュールを把握できておらず、本来納入される日に製品が納入されなかったとしましょう。そうなると、最悪の場合はその製品を使う医薬品が製造できず、その医薬品を必要とする患者さんにお届けできなくなる可能性もあります。さらにそれが抗癌剤やHIVの薬だったとすれば、人の生命にかかわる重大な問題にも発展します。

 

もちろん働きやすさを基準に会社を選択する事も重要ですが、人の生命にかかわる仕事である事は決して忘れてはいけませんその上で、転職先の1候補としてご検討頂けば幸いです。